1960年代、テレビの前で胸を高鳴らせた少年たちがいました。
国際救助隊「サンダーバード」が空を駆け、海を潜り、世界を救う——。
そんな“あの時代の熱狂”を今も手のひらに蘇らせてくれる伝説のキット、
それが イマイ製「サンダーバード パイロットセット」 です。
このセットは、トレーシー一家5兄弟のパイロットたちを精巧に再現した、
まさに昭和プラモデル文化の象徴。
現在では コレクター市場で数万円のプレミア価格 がつくことも珍しくありません。
🎯 本記事では、以下のポイントを徹底解説します:
- イマイ製パイロットセットが生まれた背景と魅力
- なぜ今プレミア化しているのか
- 最新の相場・入手方法・本物の見分け方
🏁 イマイ「サンダーバード パイロットセット」とは?
🕰️ 1960年代のサンダーバードブームとイマイ模型
1966年に日本で放映が始まった『サンダーバード』。
精巧な特撮メカ、スーパーマリオネーションによる人形劇、そして国際救助隊の活躍は、
当時の子どもたちの心を一瞬で掴みました。
そのブームの中、イマイ科学(IMAI) は国内でいち早く「サンダーバード」シリーズのプラモデル化を実現。
1号から5号までの各メカ、救助シーン、そしてパイロットたちのフィギュアを発売しました。
💬 イマイは当時、サンダーバード関連のライセンス商品で“社会現象的ヒット”を記録。
模型業界のトップブランドとしてその名を確立しました。
👨🚀 パイロットセットの内容と構成
「サンダーバード パイロットセット」は、
トレーシー一家5兄弟を立体化したオールフィギュア構成のキット。

セット内容は以下の通りです👇
| キャラクター | 機体 | 備考 |
|---|---|---|
| スコット・トレーシー | サンダーバード1号 | 隊長。冷静沈着な指揮官 |
| バージル・トレーシー | サンダーバード2号 | 力持ちでメカニック担当 |
| アラン・トレーシー | サンダーバード3号 | 宇宙担当。若きパイロット |
| ゴードン・トレーシー | サンダーバード4号 | 海中レスキュー担当 |
| ジョン・トレーシー | サンダーバード5号 | 宇宙通信基地の管制官 |
各フィギュアは当時としては驚くほどの精密造形で、
マリオネットの特徴である「糸穴」まで忠実に再現されています。





💡 一体ごとに専用スタンドが付属し、塗装仕上げを楽しめる構成。
まさに“少年時代の夢の縮図”と呼ぶにふさわしい逸品です。
💴 当時のパッケージデザイン
セット形式では「B-2083-1000」の品番が確認されており、
外箱には英語ロゴの「IMAI」マークと、当時特有のカラフルな彩色パッケージが使われていました。

そのデザインは現在でもレトロ玩具ファンから高い人気を誇り、
「箱付き未開封」だけで数万円の価値が付くこともあります。
💰 なぜ今プレミア化しているのか?
🕰️ 当時物がほとんど残っていない“消耗型プラモデル”
イマイがこの「サンダーバード パイロットセット」を発売したのは約60年前の1967年前後。
当時のプラモデルは、現在のような「コレクターズアイテム」ではなく、
“遊んで壊して楽しむもの” でした。
多くの子どもたちは組み立てて塗装し、
そのままおもちゃ箱や机の上で飾り、やがて処分してしまったため、
未組立・箱付きの状態で現存する個体は極めて少ないのです。
💬 「未組立・未開封」が出てくる確率は数百個に1つと言われるほどのレア度。
現在では“奇跡的に残された当時物”として取引されています。
🏭 イマイ科学の倒産と再販が一切ない背景
イマイ科学は、サンダーバードをはじめとする特撮・アニメ系プラモデルで
昭和40〜50年代に黄金期を築きましたが、
1980年代後半に経営難から倒産しました。
その後、同社の金型資産の一部はアオシマなどに引き継がれましたが、
この「パイロットセット」シリーズだけは再販されていません。
理由は以下の2つ:
1️⃣ キャラクターライセンスの複雑化(版権処理の困難)
2️⃣ 金型の損傷・喪失
🔎 つまり、「イマイ製オリジナル版」でしか存在しないキット。
再販も復刻もない=唯一無二のコレクターズモデルです。
🧠 コレクターが魅了される“造形の妙”
このパイロットセットは、当時の日本の造形技術を象徴する完成度を誇ります。
特に、マリオネット人形独特の“糸穴”まで再現した精密さは、
現代のファンから見ても異常なこだわりぶり。
💬 「このサイズでここまで似ているのは奇跡」
と語るコレクターも少なくありません。
さらに、各パイロットの表情・ポーズには、
当時の日本人造形師の感性が強く反映されており、
CGや3Dモデリングでは再現できない“手作りの温かみ”が魅力です。
📈 プレミア価格が上昇している理由
2020年代に入り、昭和特撮・玩具ブームの再燃により、
イマイ製プラモデルの市場価値は上昇を続けています。
特にこの「サンダーバード パイロットセット」は、
ヤフオクやメルカリで以下のような価格推移を見せています👇
| 年 | 平均落札価格(未組立) | 備考 |
|---|---|---|
| 2015年頃 | 約8,000〜10,000円 | 安定期 |
| 2020年頃 | 約12,000〜15,000円 | サンダーバード再放送期 |
| 2024年〜2025年現在 | 約20,000〜25,000円前後 | 希少在庫・海外需要上昇 |
この上昇傾向は特撮ファンだけでなく、
海外のアンティーク玩具コレクター層が参入していることも一因。
🌍 英国・香港・台湾などでは、日本製昭和プラモデルが“アートピース”として再評価されています。
🧩 コレクション価値を高める「3つの条件」
イマイ製「パイロットセット」の価値は、状態によって大きく変動します。
コレクター市場では、次の条件を満たすほど高額になります👇
| 評価条件 | 詳細 | 市場価格目安 |
|---|---|---|
| ✅ 未開封・箱付き | 箱の色褪せなし・内袋未開封 | 約25,000〜30,000円以上 |
| ✅ 説明書・スタンド完備 | 欠品なし・組立跡なし | 約15,000〜20,000円 |
| ✅ 組立済み・塗装済み | 美麗仕上げ・オリジナル彩色 | 約3,000〜6,000円 |
💬 プレミア価格は“箱と状態”が命。
当時の箱デザインが現存するだけでもコレクターの間では宝物扱いです。
💡 まとめ:
- 「未開封・当時物・箱付き」が残っている数はごくわずか
- 再販不可能=“唯一無二”のコレクターズアイテム
- プレミア化は今後さらに加速する可能性あり
🎯 結論:
イマイの「サンダーバード パイロットセット」は、
単なるプラモデルではなく「昭和の芸術作品」であり、
コレクション市場における“時代の証人”といえます。
🧠 コレクターが注目する“本物の見分け方”
🔍 1. パッケージのロゴ表記を確認する
まず一番分かりやすいのが、外箱のロゴデザインです。
イマイ製の正規版は、1960年代当時の特徴的な印刷スタイルを持っています👇
| 判別ポイント | オリジナル当時版 | 再販・他社版 |
|---|---|---|
| ブランドロゴ | 「IMAI」白抜きロゴ(右上配置) | 「アオシマ」「BANDAI」など別社表記 |
| カラーリング | 鮮やかな青・赤の印刷+厚紙箱 | 光沢が強い薄手パッケージ |
| 英文表記 | “THUNDERBIRDS PILOT SET” の明朝体 | ゴシックや丸文字風フォント |
💡 1960年代オリジナルは「箱のインク滲み」や「版ズレ」などの印刷ムラも特徴。
それ自体が“当時物の証拠”になります。
🧩 2. 型番・商品番号「B-2083-1000」の有無
イマイのパイロットセットは、当時商品管理のために固有番号が印字されていました。
正規品の箱には、必ず次の情報が記載されています👇
- 型番:B-2083-1000
- 価格表示:「定価 ¥1000」または「50円」刻印
- JANコードなし(バーコードがない)
⚠️ 近年の“再印刷パッケージ”にはバーコードがある場合が多く、
それは当時版ではありません。
🧱 3. 成型色とランナー(パーツ枠)の特徴
オリジナルのイマイ製は、成型色にも独自の特徴があります。
| 項目 | 当時版 | 後期・他社版 |
|---|---|---|
| 成型色 | ややくすんだアイボリー〜肌色系 | 明るいベージュ・白っぽい成型色 |
| ランナー構造 | バリ(バリ取り跡)が多く、成型跡が太い | 精密化されておりランナーが細い |
| 樹脂素材 | やや柔らかいポリスチレン | 現代樹脂で固め |
💬 豆知識:
当時の金型は手彫り仕上げだったため、
ランナーの形状や“ゲート跡の荒さ”がヴィンテージ感の証拠になります。
🪪 4. 説明書・台座・付属パーツの違い
本物には次の付属品が揃っています👇


✅ モノクロの日本語説明書(表紙に“今井科学株式会社”表記)
✅ 黒いプラスチック製スタンド(丸形ベース)
✅ 袋入り未開封パーツ一式(セロテープ封)
💬 復刻系では、説明書が英語併記になっていることがあります。
これは当時版ではなく、のちの展示用レプリカ版の可能性が高いです。
🧾 5. 偽物・再販に注意!
残念ながら、オリジナル人気の高まりにより、
過去には「箱だけレプリカ」「部品複製品」も流通しています。
見分けるポイントは👇
| 項目 | 本物 | 偽物・複製品 |
|---|---|---|
| 紙の質 | 厚くザラザラした手触り | 薄く光沢あり(インクジェット印刷) |
| 経年劣化 | 紙の黄ばみ・角の擦れあり | 新品のように白い |
| 接着剤跡 | セロテープの跡が変色 | 新しいテープやノリ跡なし |
🎯 本物の見分け方のコツ:
“古さ”ではなく“自然な劣化”を見ること。
ニセ物は「新品のように綺麗すぎる」傾向があります。

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