平成15(2003)年は、「アニメ」の原点ともいえる『鉄腕アトム』が物語上誕生したとされる年であり、また、国産初のテレビアニメーションシリーズとなった同作品の放送開始から40周年に当たります。
この『鉄腕アトム』を代表とする我が国のアニメには、未来をテーマとして夢と希望を表現した作品が多く、現在の科学技術の発展に少なからず影響を与えてきました。
鉄腕アトム
国産テレビアニメーションシリーズの第1号であり、科学技術の発展した未来社会を描き、子どもたちに夢を与えた不朽の名作です。
また、世界各国へ輸出され世界のアニメーションシーンに強い影響を与えるとともに、その後のアニメーション産業の発展に大きく寄与しました。
弓曳童子
現在、世界中で稼動する産業ロボットの約半数は日本にあります。
そのロボット技術の繁栄の基礎は、何百年前から日本社会に慣れ親しんだ江戸時代のからくり人形です。
弓曳童子はその最高峰ともいわれ、江戸時代の「からくり儀右衛門」こと田中久重が製作しました。
ゼンマイ仕掛けで自動的に矢台から矢を取り、弓につがえて曳き、的を射ます。
(所蔵:トヨタコレクション)
長岡半太郎
明治36(1903)年に、「原子は、原子核の回りを電子が回っている。」という土星型原子模型を発表し、後のラサフォードの核をもつ原子模型の基礎となりました。
人事の育成にもつくし、東京帝国大学教授、大阪帝国大学初代総長を歴任し、湯川秀樹、朝永振一郎らを指導、日本の物理学の発展に貢献しました。
また、金属学、地球物理学など多方面で活躍し、昭和12(1937)年に設立された文化勲章第1号を受章しました。
H-IIロケット
日本初の純国産ロケット。
世界トップレベルの重量2トン級の静止衛星打上げ能力を持ち、全段我が国の自主技術による2段式ロケットで、構成を変更することで、低・中高度の各種軌道に打ち上げることができました。
90年代の我が国の主力ロケットとして、平成6(1994)年の初フライト成功以来、7機の打上げが実施されました。
morph3
科学技術振興事業団(現:科学技術振興機構)北野共生システムプロジェクトと山中俊治(工業デザイナー)が共同開発したロボットです。
身長38cm、体重2.4㎏で、合計138個のセンサーを備え、生物に似た皮膚感覚を持たせたのが特徴です。
足裏で地面の微妙な凹凸や滑りやすさを感知し、バランスをとりながら歩くことが可能です。
また、肘や背中に搭載したセンサーに何か当たると、その力をとらえ、それに応じた行動をとることも出来ます。
千葉工学大学の未来ロボット技術研究センターで研究開発が継続されています。
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